森林プランナー内海美沙のブログ

「森のもったいない困った」×「みんなのほしい」を繋げたら、きっと林業はおもしろくなる!!林業をおしゃれにおいしく、おもしろく。森林プランナー内海美沙が現場からレポートします。

「昔のアルバム」から見る森林管理の移り変わり@京都中世木

北斜面の山裾に建つ武雄さんの家は肌寒い。

今年初のこたつに入り丹波黒豆の枝豆を食べながら、武雄さんの経験や山への想い、中世木の山の歴史などを教えていただいいた。

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少し申し訳なさそうに「ちょっと見て欲しいもんがあるんやけど、、、」と言って奥の方から古いアルバムを持って来られた。

「昔は誰にも腕相撲は負けんかったんや。」と、少しはにかみながら遠慮がちに、丸太担ぎ(「通称:かちん坊」と言っていたらしい)で鍛えを筋肉を見せてくださった。

私もiPadを肌身離さず持っていて何かにつけて写真やアプリを使って説明していますが、百聞は一見にしかず。山の歴史はアルバムに詰まっていました。

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かちん坊で鍛えた肉体美。

 

 

 確かに若かりし頃の武雄さんは、ゴールドジムで鍛えているのかwと思うほどのいい筋肉。なるほど丸太を担いでおられた筋肉なんだなという事がよくわかる。
また、昔はわちがりがわちがりとして機能し、家の裏には木がなかった事もわかった(むしろ草原ぽく見えなくもないけれど)。


山の所有形態でよくある「講」有林。この辺には「伊勢講」さんというものがあって、山の収益でお伊勢参りに順番に行っていたということは知っているけれど、実際写真を見るととてもリアリティが増す。

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山へ土葬に向かう途中のお葬式の写真も見せていただいた。あの山にあるあの身墓。あんな山の中腹までどうやって運んだのだろうかと想像でしかなかったものが目に見えて知った。
この写真のこの方が名前だけ存じ上げている、あの山を育てられた先先代の山主さんなんだな〜〜と少し山づくりと人となりがリンクした。

 

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山の中の身墓へ土葬しに行くようす

今まで、沢山の方の想いや歴史を聞いてきましたが、写真を見せていただいたのは始めてでした。少し涙を浮かべながら、何かを必死に伝えようと、託そうとしてくれた武雄さん。
武雄さんの目は、昔のことを語りながらも未来を観ていて、きっとまだ言い足りない事が沢山ありそうなので、今度は久しぶりに山にご一緒したいと思います。

 

想いがあるうちに、身体が動くうちに、生きているうちに、、、ちょっと無理してでも。
森林管理の次世代への継承

 

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「山への想いを話す武雄さん」と「旬の丹波黒豆」